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研究者紹介
- 社会や都市で生じる様々な課題に対して,オペレーションズ・リサーチの手法を用いて数理モデルを構築し,適切な計画立案に役立てることを目指しています.特に,都市インフラの評価・設計において,種々の都市施設の最適配置や交通網の適切な規模・形状の決定に関心があります.近年では,歩行者にとって快適で安全なまちづくりや,人口減少時代における持続可能な都市のあり方について,数理的アプローチによる解決策を提案しています.さらに,オープンデータを活用した実証分析を通じて,価値ある政策的知見を提供し,社会システムの評価や運用方法の改善に貢献することを目指しています.
研究業績紹介
- ■都市インフラの適正配置の数理モデルと応用
・研究目的:都市内の移動者が経路上で適切なサービスを受けられるように,都市施設の最適配置を決定するための数理モデルを構築しました.利用者が確率的に立寄る店舗の配置場所の決定,安全確保のための施設の配置,移動者への情報提供場所の選定,鉄道利用者が立ち寄りやすい駅の特定をはじめとする,社会の多様な場面への応用に対して,交通網上の流動データへの適用を通じて最適配置の特性を明らかにしました.
- タイトル: The probabilistic minisum flow interception problem: minimizing the expected travel distance until intercept under probabilistic interception,K. Tanaka, O. Kurita (Geographical Analysis) Vol. 52, 2020, pp. 211-230.
- タイトル: Toriumi: Railway flow interception location model: Model development and case study of Tokyo metropolitan railway network,K. Tanaka, T. Furuta and S (Operations Research Perspectives) Vol.6, 2019, 100085.
■歩行者からみた快適で安全な空間設計の理論と応用
・研究目的:歩行者にとって安全で快適なまちづくりが注目される中,本研究では数理的アプローチでその課題に取り組んでいます.例えば,格子状街路網を有する一定人口を持つ都市において,歩行移動者数を最大化する都市形状を追求する問題を変分問題として定式化し,その解の特性を明らかにしました.また,児童の徒歩による登下校を対象に,移動の安全性と効率性を両立させる経路設計問題を定式化し,道路網への適用を通じて,迂回をほとんど生じさせることなく児童が一人で歩く距離を大幅に短縮できることを示しました.
- タイトル: City shapes that maximize the number of walking-only tripsbased on Manhattan distance,S. Misaki and K. Tanaka (Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing) Vol. 14, 2020, JAMDSM0075.
- タイトル: A bi-objective optimization model for designing safe walking routes for school children,K. Tanaka, R. Miyashiro and Y. Miyamoto (Geographical Analysis) Vol. 48, 2016, pp. 448-464.
研究の応用領域
- ・社会システムのモデリングと最適化
・都市施設の最適配置問題
・歩行からみた都市空間のデザイン
・人口減少時代の都市インフラの適正配置
・空間データサイエンス
社会的意義
- ・数理的なアプローチにより持続可能な都市・インフラシステムの設計を追求する
・歩行者の視点に立った快適かつ安全で活気ある都市のあり方を提案する
・オープンデータを用いて社会や組織の特徴や将来像を実証的に明らかにする