研究者紹介
- スペインの中でも独自の歴史・文化・言語を持つ地域(ネーション)のひとつであるカタルーニャの近代史を研究しています。ここ数年の研究テーマは、18世紀後半から19世紀初頭のバルセローナ市の絹織物及び絹に関わる手工業の職人の世界(仕事、家族、信仰)を、職人とその妻や寡婦の遺言書・死後財産目録・結婚契約書などの史料から再構築することです。授業では、これまで勉強してきた都市形成、祭り、スポーツなど、カタルーニャの社会文化史に関わるさまざまテーマや、カタルーニャの独立運動の現状などを、広く紹介しています。
研究業績紹介
- ■歴史研究
・研究目的: 近代揺籃期バルセローナの職人の世界に見られる移民とジェンダー(1770-1817)
- タイトル: Migración y género en las familias artesanas de Barcelona, 1770-1817, Yamamichi Yoshiko, Sola Parera Angels (Investigaciones de Historia Económica) 20 ( 1 ) 7-17 2024年2月
・研究目的: 旧体制末期の危機が絹産業に与えた影響と適応戦略の比較研究(バルセローナとマンレザ、1770〜1850年代)
- タイトル: Silk textiles, crisis and adaptative strategies in Catalonia, 1770–1850s (Barcelona and Manresa), Parera Àngels Solà, Ferrer-Alós Llorenç, Pujolà Lluís Virós, Yamamichi Yoshiko (Continuity and Change) 35 ( 1 ) 53-74 2020年5月
・研究目的: 前近代のギルド社会における労働とジェンダー、職業的・地理的モビリティとジェンダー
■国際協力
研究目的: ジェンダー、モビリティの視点からギルドに組織された絹産業がバルセローナの近代化に果たした役割の研究
研究の応用領域
- ・ヨーロッパ史、アメリカ史
社会的意義
- ・近代化の過程でのジェンダーとモビリティの関係を理解することは、多様な集団が都市の成長と工業化にどのように貢献したかについての洞察を提供します。
・バルセロナの近代化における絹産業の影響を分析することは、労働力の移動、交易ネットワーク、女性の参加が経済的および社会的変革において重要であることを強調します。
・経済危機における産業の回復力と適応力を検証することは、経済的生存のための戦略と、生計を維持する上での家族や女性の重要な役割を明らかにします。