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恋田 知子
教授
恋田 知子

Koida, Tomoko

文学部 人文社会学科(文学系)
国文学

慶應義塾研究者データベース(K-RIS)
研究者詳細 - 恋田 知子

研究者紹介

室町時代から江戸時代前期にかけての物語を中心に、説話や芸能、寺院資料との相関関係を重視しながら、広く室町文芸について研究しています。本文や絵の分析はもとより、物語の成立や享受の実態の解明を目指しています。

研究業績紹介

■物語草子と寺院資料との相関性の分析
研究目的: 寺院に伝来した資料との相関性を分析し、物語草子の宗教的・文化的・社会的意義を明らかにする。
・論文「骸骨の物語草子―『幻中草打画』再考」、天野文雄編『禅からみた日本中世の文化と社会』ぺりかん社、2016年
・論文「経説絵巻の一展開―スペンサー・コレクション蔵『因果業鏡図』をめぐって―」、国文学研究資料館編『絵が物語る日本』三弥井書店、2014年
・単著『仏と女の室町 物語草子論』笠間書院、2008年
■物語絵の制作や享受の実態解明 
研究目的: 物語絵の構造や表象、制作背景について考察し、絵巻や奈良絵本の文化史的意義を明らかにする。
・論文「『子やす物語』考―諸本と典拠」『芸文研究』123-1、2022年12月
・論文「江戸前期の幸若舞曲絵巻・絵本の制作―「大織冠」と「敦盛」を例として― 」、小林健二編『絵解く 戦国の芸能と絵画 描かれた語り物の世界』三弥井書店、2020年
・論文「江戸初期における絵巻制作の一背景―中井正知・杉原盛安の文化活動―」 『芸文研究』95、2008年12月
■中世文芸にみる女性の多面的な役割の考究
研究目的: 物語草子の読解や伝本生成の分析を通して、物語の伝承者、保存者、再生者としての女性の役割について明らかにする。
・論文「『常盤の嫗』の享受圏―嫁入り本としての意義―」『日本文学研究ジャーナル』30、2024年6月
・単著『異界へいざなう女 絵巻・奈良絵本をひもとく』 平凡社、2017年
・単編著『薄雲御所 慈受院門跡 所蔵 大織冠絵巻 釈文・解説』勉誠出版、2010年

研究の応用領域

・物語草子と寺院資料との相関性の分析によって、仏教学や宗教文化史の深化を促進し、地域史・在地文化研究にも活用され、文化財の保存・活用にも寄与する。
・物語絵の制作や享受の実態解明は、美術史・視覚文化研究へと展開し、メディア史・出版文化史にも応用できる。
・中世文芸にみる女性の多面的な役割の考究を通して、女性史学や文化史・教育史学、現代の文化創造活動にまで発展し得る。

社会的意義

・宗教的および文化的理解の向上
・歴史的文献へのアクセスの向上
・文化遺産の保存への貢献
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