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研究者紹介

西洋の初期の活版印刷術、特にグーテンベルク聖書を中心とするインキュナブラを専門に研究しています。インキュナブラの技術的側面と物理的特徴、写本と刊本の関係、書物に対する考え方や読書の様式の変化などに関心があり、デジタル画像を用いたグーテンベルク聖書の研究を継続して行っています。また、資料保存、デジタルアーカイブ、貴重書のデジタル化、デジタル・ヒューマニティーズにも興味を持っています。

研究業績紹介

■デジタル技術を援用した西洋初期印刷本の分析
・研究目的:活字画像の統計的分析に基づく活版印刷術黎明期の活字鋳造技術の検討
- タイトル: Statistical analysis of the Gutenberg 42-line Bible types: Special focus on letters with a suspension stroke, Agata M., Agata T. (Papers of the Bibliographical Society of America) 115(2), 167-183 2021年06月
・研究目的:グーテンベルク聖書の活字画像の認識と統計的分析に向けた手法の提案
- タイトル: Image recognition and statistical analysis of the Gutenberg's 42-line Bible types, Agata M., Agata T. (Digital Scholarship in History and the Humanities: Proceedings of the 6th Conference of Japanese Association for Digital Humanities) 2016 59-59 2016年
・研究目的: デジタル画像の重ね合わせによるグーテンベルク聖書の校合結果および印刷工程の分析
- タイトル: Stop-press variants in the Gutenberg bible, Agata, M. 2006 (博士論文)
・研究目的: 初期印刷本のデジタル画像の重ね合わせを用いた精密な校合手法の提案
- タイトル: デジタル画像を用いた刊本の校合の手法, 安形麻理 (Library and Information Science) 53 1-17 2006年1月
・研究目的: 画像を用いた校合によるグーテンベルク聖書の上巻に見られる印刷中の修正箇所の分析
- タイトル: Stop-Press Variants in the Gutenberg Bible: The First Report of the Collation, Agata Mari (The Papers of the Bibliographical Society of America) 97 ( 2 ) 139-165 2003年6月
■大規模データを用いた日本のマンガの国際的な受容の分析
・研究目的: VIAFデータセットと全国書誌の組み合わせによるマンガの著者の識別および包括的なリスト作成の手法の提案
- タイトル: Using VIAF Dataset and the National Bibliography for Identifying and Listing Comics and Manga Authors, Otani Yasuharu, Agata Teru, Hashizume Akiko, Eto Masaki, Agata Mari, Sugie Noriko (2019 ACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)) 422-423 2019年6月
・研究目的:日本の公共図書館の所蔵情報に基づく階層的クラスタリングと主成分分析によるマンガの自動分類手法
- タイトル: Can Japanese Manga Be Automatically Classified from Public Library Holdings?, Eto Masaki, Agata Teru, Sugie Noriko, Otani Yasuharu, Agata Mari (2017 ACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)) 1-2 2017年6月
■書籍の損傷と保存
・研究目的: 図書の状態調査に基づく大学図書館における無線綴じ図書の割合と損傷状況の解明および損傷原因の検討
- タイトル: 無線綴じ図書の損傷原因:慶應義塾図書館の蔵書を対象とした状態調査, 岡田将彦, 安形麻理, 小島浩之, 谷藤優美子, 上田修一 (Library and Information Science) 64 33-53 2010年12月
■未解読資料の解読可能性の判定
・研究目的: クラスタリングによる文書構造の有無の検証から未解読資料の解読可能性を判定する手法の提案
- タイトル: 文書クラスタリングによる未解読文書の解読可能性の判定:ヴォイニッチ写本の事例, 安形輝, 安形麻理 (Library and Information Science) 61 1-23 2009年6月
■西洋における写本から印刷本への移行
・研究目的:15世紀の写本聖書の物理的特徴の比較に基づくグーテンベルク聖書による写本の伝統の継承と新たな特徴の導入の解明
- タイトル: グーテンベルク聖書と写本の伝統, 安形麻理 (Library and Information Science) 54 19-41 2006年3月

研究の応用領域

・分析書誌学、図書館情報学、人文社会情報学

社会的意義

・西洋の初期印刷文化を分析することで、メディアの変化にともなう歴史的な変化の理解を深める。
・活字文化の基盤技術である活字鋳造方法を検証するための新たな手法を考案し、初期印刷技術の正確な理解を進展させる。
・大規模な書誌データ分析により、日本のマンガが世界でどのように受容されているかを明らかにする。
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