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山本 龍彦
教授
山本 龍彦

Yamamoto, Tatsuhiko

法務研究科(法科大学院)

慶應義塾研究者データベース(K-RIS)
研究者詳細 - 山本 龍彦

研究者紹介

山本龍彦は、憲法学を専攻し、特にAIを含む先端テクノロジーと人権・デモクラシーの関係性を中心に研究してきた。プライバシー、個人データ保護、SNSと表現の自由に関する業績が多数だが、理論的には主権論にも関心を有しており、AI・アルゴリズムの影響力が強まる世界において、デジタル・プラットフォーム企業の権力はいかにして(立憲的に)統制されるべきか(デジタル立憲主義)、従前の近代国民国家体制や「国民主権」概念は維持されうるかについてもいくつかの研究がある。

研究業績紹介

■個人データ保護と利用
・研究目的: プライバシーの権利と個人データ保護との理論的つながりを明らかにするとともに、データのトランザクションが複雑化するなかで、個人データに対する本人のコントローラビリティを法制度的にいかに確保すべきかを探究する
■ソーシャルメディアと表現の自由
・研究目的:アテンション・エコノミーというビジネスモデルが情報空間を支配するなかで、偽誤情報や誹謗中傷など、アテンション(注意・関心))を引きつけられる刺激的な言説が拡散・増幅されている。こうした状況において、憲法が保障する表現の自由とは何かを再定義し、人間の尊厳にも配慮した健全な情報空間の(再)構築・設計を試みる。
■デジタル・プラットフォームの「権力」と立憲的統制
・研究目的:AIやアルゴリズムの加速度的発展を背景に、GAFAMに代表されるデジタル・プラットフォームが国家をも凌ぐ力を持ち始めている。デジタル空間にも人権や民主主義といった立憲主義的理念を浸透させるべきとする「デジタル立憲主義」の議論を踏まえ、プラットフォーム権力の本質を探究しつつ、その統制手法を検討する。
■憲法とAIガバナンス
・研究目的:AIの適切な利活用には、人権や民主主義にも配慮したガバナンスが必要である。特に行政や立法場面におけるAIの利用について、憲法上の原則を踏まえた新たなガバナンスのあり方を構築する。
■領域横断研究のロールモデル構築と文理融合人材の育成
・研究目的:AIなどの発展により、文理融合など領域横断研究の必要性は高まっているが、その有効な方法論はいまだ十分に構築されていない。ルネッサンス期の学術交流のあり方などを踏まえ、かかる方法論を検討するとともに、文系研究を社会実装する方法や、文理融合人材の育成方法を開発する。

研究の応用領域

・個人データの保護と利用
・偽誤情報対策とメディア・リテラシー
・AIガバナンス
・領域横断研究と文理融合人材の育成

社会的意義

・尊厳に配慮した人間中心のAI開発・利活用
・プライバシーと個人データが保護されたAI社会の構築
・尊厳に配慮した闊達な情報空間の構築